~前回のあらすじ~
勤めている会社が突然確定拠出年金に変わった三好さん。
確定拠出年金のことを学び、運用に不安がでてきてしまいましたが、吉永さんより節税になるという情報が!
今回は確定拠出年金の節税などのメリットやデメリットを学んでいきます。
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サラリーマン必見!確定拠出年金の使い方

吉永さん。確定拠出年金の節税ってどういうことですか?よくきく節税って、家を買ったりすることをだと思うんですけど

家を買うことも、もちろん節税の1つになります。しかし確定拠出年金の方がより節税に向いてると言えます。確定拠出年金の節税は最強の節税方法になりうるんです

節税に向いてる?最強の節税方法ってそれは一体どういうことでしょう?

実は確定拠出年金には拠出・運用・給付の3段階で税制優遇が受けられるんです

優遇税制っててどんなものがあるんですか?

まず掛金については、拠出した段階では所得税がかかりません。加えて運用期間中に得た収益も課税が繰り延べされます。確定拠出年金で運用で得た収益は、その全額を再投資に回せるんです。手元資金での運用の場合は、再投資に回せるのは、通常は税引き後の収益になりますから、確定拠出年金の方が有利な環境で運用できます。さらに給付時にも年金として受け取った場合には税額の軽減があります。


将来のために投資をしようと思っていたけど、手数料とか税金で躊躇をしていたんだ。投資する時も、運用する時も、もらうときも待遇を得れるなんてすごい制度ですね!

こんなに税制優遇があるなんて、すぐにでも利用した方がいいですね!

ほんとだね!税制も優遇されるし、自分の年金が増えるかもしれないなんて、すぐにでも利用しなきゃ!!


二人ともちょっとストップ!!メリットだけではなくて、デメリットも知っておかなければいけないよ

デメリットですか?こんなに待遇がいいのに、どんなことがデメリットになるんでしょう?

支給される年金額がわからないので、老後の計画が立てづらいことがデメリットと言われているんです。運用をおろそかにしたり、経済の状況がとても悪くなってしまったりすると、年金額が想定よりも減ってしまうことがあるんですよ!


そっか!確かに自分で運用しているから、先が見えないし、失敗するとマイナスになってしまうというのは怖いですよね・・

そうですね。定期的に運用状況を確認しなければならない点を手間と感じたり、常に勉強が必要という点は、マイナスと捉える人もいるかもしれませんね。またこれだけではなく、拠出したお金は原則として60歳になるまで引き出すことができません。この拠出年金は、ポータビリティという制度で転職先に年金金額を持ち運ぶことはできますが、お金を引き出して自由に使うことはできないのです。ですから老後資金以外には活用できないことになります

マイナスになる可能性と老後資金以外に活用できないということが、デメリットなんですね

そうですね。ただこのメリットである節税方法は、サラリーマンでも簡単に出来ますし、公務員でも節税の対象になるものなのでデメリットとメリットを上手に活用して、運用を決めていくのがいいでしょう。企業型だけでなく、個人型の確定拠出年金もありますので、個人の方でも老後のための資金を増やしたい人はだれでもできて、節税対策もできるのが魅力ですね


具体的にどれくらい節税ができるんですか?

それでは、実際にシミレーションしてみましょう
例えば
一般的なサラリーマン年収450万円、確定拠出年金に加入し、掛金として毎月15000円を拠出、年間18万円を支払っている場合
確定拠出年金ではこの18万円が非課税となり、課税対象額から除くことができます。
課税所得金額が450万円の場合、所得税率は20%、住民税は一律10%なので、非課税分は18万円の30%が節税となります。
18万円×30%(所得税20%プラス住民税10%)=54000円
つまり、確定拠出年金に毎月15000円の掛金を拠出することで、加入をせずに毎月同額を貯金した場合と比べ、節税された年間54000円分を手元に多く残すことができます。
もしこのまま確定拠出年金20年間加入し続けた場合、実に108万円物節税メリットを享受することができるのです

年間54000円でもすごいのに、20年間で108万円もの節税になるんですね!!

また運用利回り得た利益にも税金がかからないので、運用益に対する源泉分離課税20.315%は発生しないことになります。 またそれだけではなく 年金を受け取る時も控除が 受けられることも大きいですね

何もしないで貯めていても、増えることがないのであれば、確定拠出年金で運用して、節税もできるのがやっぱりいいですね!


また確定拠出年金には、自己破産しても財産が残るという利点もあります。サラリーマンの場合はあまり関係ないかもしれませんが、個人事業主の方や中小企業経営者の方はリスクをとって仕事をしていることも多く、事業が失敗して破産するというリスクもあります。そうしたケースでも個人型確定拠出年金の掛け金部分は守られるのでセーフティーネットとしても使うことができます

節税にもなるしセーフティーネットとしても使うことが出来るなんて、確定拠出年金は本当に万能ですね!

確定拠出年金をうまく使って、将来に備えることをしていきたいですね。ただほかにも対策する方法は沢山ありますので、またいろいろお伝えしていきますね