前回のお話:衝撃!!給料が減っている!新入社員が知っておくべき正しい給与明細の見方
前回の話で、給料は【支給】と 【控除】で成り立っているということがわかりました。
今回は、給料が減る原因ともなる【控除】についてお伝えします♪
どんなものにお金がとられているかを学んでいきましょう!
給料の控除とは?減ったと感じる原因は「住民税と所得税」


給料が減ったと感じる一番の原因!気になります!

まず天引きの代表といえば、所得税と住民税です。
所得税はその年の所得に対して支払わなければならない税金です。
毎月概算の金額が引かれ、12月に行われる年末調整で正確に計算され精算されます。
所得税は、給与からの源泉徴収が始まるタイミングで支払いが始まります。
また 住民税は住民票がある市町村に支払う税金ですが、
こちらは前年の所得に対して支払うものです。
入社1年目の前年は働いていませんよね?
ですから所得税もかかっていませんし、住民税もかかっていません。
入社2年目を迎えると、前年にも所得があるので徴収が始まります。
ちなみに、初年度は天引きされない新入社員とは逆に、
出産や失業により収入がなくても、
前年に働いていた人は住民税が引かれますので要注意です。


よく社会人2年目から急に天引き額が多くなるって聞きますけど、こういう仕組みだったんですね


その通りですが、住民税は 6月に支払われる給料から天引きになります。
ですから、社会人2年目の6月から引かれるんですよ



ちなみに住民税は2年目から徴収が始まると言いましたが、実は満額の徴収が始まるのは3年目からになります


住民税は、前年の1月から12月の所得に対してかかってくる税金です。
社会人2年目の住民税は、4月入社の場合、4月から12月までに対してかかることになります。
ですから、2年目の住民税は4月から12月までの所得に対してかかるので、満額の住民税を支払うのは、3年目からなんです。

ということは3年目からは、更に給料から税金が引かれるということですね…泣

残念ながらそういうことです。
ちなみに住民税は、
所得金額に関係なく
一律10%の税率となっています。

所得税は違うんですか?

日本では累進課税制度という制度を採用しているので、所得税の税率は一律ではありません。
累進課税制度というのは、課税標準という税率をかける前の金額が、大きくなればなるほど高い税率を課する制度です。
年収350~500万円くらいの方だと税率は20%になりますね。

参考URL:国税庁「所得税の税率」


たくさん稼いでる人が多く納めるって合理的!
でも年収350万円の20%って…
70万円も引かれるってことですか?

350万円の方は427,000円を控除するように規定されています。
つまり、350万×20%-42万7千円=27万2500円が税金として引かれます。


次に、税金と同じく、かなりの額を引かれる社会保険料について見ていきましょう。


この社会保険料というものはとても大事なものなんですよ。
種類としては、
年金保険、雇用保険、
健康保険、介護保険など
人によって異なります。


よく年金という言葉を聞きますが、これは社会保険料の1つだったんですね!

年金保険とは、
厚生年金のことを指します。
厚生年金保険とは、民間企業などに勤務する労働者の老齢年金、障害年金、遺族年金の保険給付を行い、労働者およびその遺族の生活の安定と福祉の向上を目的とする社会保険制度のことです。

これも給料から引かれていくものなんですね。

将来のためには仕方の無いことです。
ただこの厚生年金の保険料は
会社と本人が
半分ずつ負担
しています。



そして雇用保険。
これは、労働者の生活と雇用の安定のために
政府が行っている保険制度です。
失業時に失業手当が受給できたり、
就業支援を受けられます

へ~もしもに備えての制度が整っているんですね♪

3.4.5月の残業は要注意!!その理由とは?

先ほど住民税は、1月から12月の所得に対して決まるとありましたけど、社会保険料もそうなんですか?

社会保険料の計算は、年収ではなく毎年4月から6月のみの報酬の平均である「標準報酬月額」をベースに算出されています。
その後、その年の9月から1年間の社会保険料が決定します 。


そうなんです。つまりこの3ヶ月の収入で社会保険料額が変わってきます。
だから、3月から5月に残業を多く行うと、その分給料が多くもらえるため、厚生年金保険料が高くなってしまうんですよ!!


そうだったんですか!
気をつけなきゃ・・

そして、3月の残業代が4月分の給料に反映される会社では、3月の残業も要注意です!

なんとか残業量をコントロールしないといけないですね・・
3月が決算月で忙しい私には厳しいです・・
標準報酬月額に含まれるのは基本給と残業手当だけですか?

標準報酬月額に含まれるのは基本給だけでなく、手当も含まれます!
残業手当、通勤手当、住宅手当、家族手当、当直手当など全て対象です。

え!通勤手当も対象なんですか?

基本給だけでなく、報酬に含まれるものは全てが対象です。
なので、可能な限り、3~5月は残業を減らすよう心がけた方がお得ですよ。

まだ給与から天引きされるものはあるんですか?

そうですね。
最後に健康保険があります。

うぅ…まだあるなんて…健康保険とはどういうものですか?

健康保険も、勤労者として
自ら加入しているもので、
大企業や企業グループは
組合管掌健康保険に、
中小企業などは協会けんぽ、
公務員などは共済組合
に加入しています。
40歳以上は
介護保険の
被保険者となり、
介護保険料も
引かれるようになります
保険料を払っているから、病院に行った時に私たちは3割負担で、残りの7割は健康保険組合が支払ってくれるのです。

そうなんですね!ちなみに税率はどれくらいなんですか?



最後に
いかがでしたでしょうか?
このように控除項目で重要なところを
占めるのは税金や保険料ですが、
ほかにも会社特有の組合費や
個人の財形貯蓄なども
給料から天引きされています。
その中には確定拠出年金(401K)
などメリットがあるのか判断が難しい
モノも多く記載されています。
毎月ささっとしか目を通さない給与
明細には様々な情報が載っています。
給与明細はサラリーマンにとっては非常に重要なお金の証。
しっかり読み方を理解し、
意識しながら確認していきましょう♪

今回は控除についてお話をしましょう。
控除つまり【天引きされるお金】についてです。
給与が減ったと感じるのは、この控除の部分が多く関係しています。